今週の一冊:ひとはだフレンド
作者:一色緑
「友達」という言葉の危うさを描く、一色緑の新境地
幼馴染や親友という関係は、時に恋愛よりも厄介な感情を抱え込むものだ。一色緑「ひとはだフレンド」は、その微妙な距離感を丁寧にすくい取った一冊である。読み終えた後、自分の周りにいる「友達」を少し違う目で見てしまうかもしれない。
作品の深掘り
本作の魅力は、友情と恋情の境界線をあえて曖昧に描く筆致にある。一色緑の作画は柔らかな線と繊細な表情の変化を得意とし、キャラクター同士の関係性が変化していく過程を丹念に積み重ねていく。友達以上恋人未満の関係性を扱った作品を探している読者には、まさにおすすめの一冊と言えるだろう。単行本としての完成度も高く、同じ空気感を持つねぐりえや、じっくりとした関係構築が楽しめる長頼の作品と併せて読むことで、この手のジャンルの奥深さがより見えてくるはずだ。人物造形の丁寧さという点ではアガタの作風とも通じるものがあり、読み比べる楽しみもある。
見どころ3選
- 友情から少しずつ変化していく二人の心理描写の緻密さ
- 柔らかな線で描かれる、表情の一瞬の揺らぎ
- 関係性が動く瞬間を丁寧に積み上げる構成力
こんな人におすすめ
友達以上恋人未満というシチュエーションに惹かれる人、じっくりとした関係の変化を楽しみたい大人の読者に向いている一冊だ。派手な展開よりも心理の積み重ねを重視する人にこそ読んでほしい。
執筆:V-Library30 編集部
30代男性の限られた夜を、最高の一本で彩るためのアーカイブ。
★ 4.40(レビュー5件)


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